気づいた人からきれいになれる。

NEW2019.5.20

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ドラッグデリバリーシステム(DDS)Part1

捜査テーマ

化粧品が肌に“効く”とは?肌に“効かせる”仕組みに迫る!

いくら素晴らしい成分でも、必要な場所に届かなければ意味がない。必要とする部分に、必要な量を的確に届けてはじめて化粧品が“効く”と言える。「届ける=効く」を確実にしたのが医療用に開発されたドラッグデリバリーシステム(DDS)。このDDSが化粧品にどう応用されているか捜査する。

life style

小西捜査員の美科学捜査:1

化粧品はドラックデリバリーシステムがないと効かないの?

  • 根本的なことですが、すぐれた有効成分がたくさん開発されていますよね。でも化粧品にただその成分を入れただけでは、=“効く”ってわけじゃないですよね?

  • ええ、その通りです。ご存知のように、皮膚には異物を防ぐバリア機能があって、細胞には細胞膜がありますから、いくら素晴らしい成分を化粧品に配合したからといって、肌の効かせたい部分に届けるのはそう簡単なことではないです。

  • そうですよね。でも、“効かせる“ための最新技術は日々進化していますよね?そのあたりをしっかり隠さずに話してもらいますよ。

  • 相変わらず、核心を突いてきますね。肌に“効かせる”ためには、ドラックデリバリーシステム(以下DDS)が欠かせません。DDSを使うと化粧品の“効き”は格段に違いますね。

  • 出ましたね、DDS。もともとは医療用に開発された技術ですよね。

  • はい。DDSは特定の薬・成分を特定の場所(疾患部位)にピンポイントで効かせるための技術ですが、このDDSを化粧品開発にも応用しているんです。

  • 最新の化粧品に使われるDDSにはどんなものがあるんですか?

  • 代表的なものは、ナノカプセルですね。

  • 玉ねぎのように何重にも層になっていて、その中に有効成分を閉じ込めた構造をしているカプセルですよね。

  • そうです。研究開発の進歩で、同じ効果のある成分でも、早く溶け出す粒から、後から遅れて溶け始める粒までを1つのカプセルに収め、肌の中で順番に溶け出すようにすることで、長時間効果を持続させることが可能になりました。

表皮の断面図。厚さは平均0.2ミリととても薄い。

  • ナノカプセル、何とも頼もしい!その他にはどんなものがありますか?

  • 美顔器でのイオン導入や、マイクロニードル等もDDSと言っていいでしょう。

  • イオン導入は、以前の美顔器編で出てきましたね。肌のバリア機能を電流で一時的に弱めて、その緩んだところに美容成分を浸透させる。この機能もDDSのカテゴリーに入る訳ですね。

  • 意外と思うかもしれませんが、そうなんですよ。もう一つのマイクロニードルの技術は、ヒアルロン酸などの成分を針状に固め、肌と密着させることで、皮膚内部の水分で溶け出し成分を放出します。

  • タイプはそれぞれだけど、ただ塗るだけではなく、肌に届けることを追求して開発されたものですね。これほどすぐれたDDSを採用している化粧品なら、有効成分をしっかり肌の奥に“効かせる”ことができますよね。白状して下さいよ!

  • 「はい」と言いたいところですが、ご承知のように、薬機法の制限がありますから、表向きには「角層まで」としか言えないんですよ……。

  • そうですね。でも、DDSのすごさはわかったので、それを採用している化粧品の効き目には期待できますね!

judge

鑑定結果

美容成分を届けることを
追求したのがDDS

美捜研捜査員・小西さやか

国立大学工学部化学修士の視点からコスメを評価するコスメコンシェルジュ。 各種協会の顧問、学会幹事も歴任。 著書に「レディのルール」(宝島社)など、これまでに9冊、累計30万部を突破。

美科学のプロ・林田元治
(ドクターシーラボ研究開発部部長)

大学時代は有機化学専攻。研究開発・品質管理など35年のキャリアを持つ。皮膚の仕組みや効果的な成分を語らせたら右に出る者はなし

イラスト/STOMACHACHE.