気づいた人からきれいになれる。

NEW2019.7.11

第3回

南半球と北半球、二つの季節を行き来する不思議と愉快 その2

life style

文・小島慶子

  先日もパースのアウトドア商品のお店に行って、なんで長袖ばっかり並んでいるのかなあ、としばし考えて「あ!これから冬か」と気づいた次第。パースの冬は6月から8月まで。日本が梅雨の時期には、ちょうどパースも雨季に入って、日に何度も通り雨が降ります。草木は水気を吸ってモリモリと成長し、街は緑豊かに。逆に夏には強い日差しのもとで空気はカラカラになり、芝もすっかり黄色くなるのです。日本とは反対ですね。
 北半球ではクリスマスとお正月は冬の行事ですが、パースでは夏真っ盛りの中で新年を迎えます。日本の年の瀬の切ない雰囲気や、ピリッと寒い初詣の空気が好きな私としては、引っ越した当初はやや味気なく感じました。でも最近は、能天気にビーチを満喫するクリスマスや、花火で陽気に迎える新年にも「ああ、年末だなあ」という安らぎを感じるようになりました。ショッピングモールに飾られた巨大なクリスマスツリーの周りを短パンにビーサン姿の人たちがのんびり歩いている様も、なかなか心和む風景です。
 そうそう、よく聞かれるのが「オーストラリアにも花粉症はあるの?」です。ありますとも!特に西オーストラリアはワイルドフラワーも多く自然が豊かなためか、季節の変わり目ごとになんらかの花粉が飛んでいます。
 ややこしいのですが、3月には東京でスギ・ヒノキが、パースでは秋花粉が飛んで、10月には春のパースでオーストラリアン・シダーの花粉が飛び、東京は秋の花粉シーズン。なんだか一年中、どこへ行っても花粉と戦っている気分です。
 ちなみに、インフルエンザの予防接種も2度必要です。6月にはパースで、11月には日本でワクチン接種を受けるのです。日本では注射のあとは四角い正方形の絆創膏を貼るのに、パースではいわゆる普通の絆創膏。ざっくりした感じがお国柄を表しているようで、面白いです。
 こんな日豪往復生活では、当然、肌にも負担がかかります。何よりの大敵は紫外線。皮膚ガンの多いオーストラリアでは、外に出るときは通年で日焼け止めを塗ることが強く推奨されています。私はもともと、日本にいるときも通年で日焼け止めをつけているのですが、紫外線の強いパースでは一層の注意が必要です。特に、外出して直射日光にさらされるときは、オーストラリアのポンプ入りの全身用日焼け止めを顔にも手にもしっかり塗って、さらに飲む日焼け止めも欠かしません。2時間ごとに塗り直し、サングラスも必須。ドライブでは車内でもつばの広い帽子を被っています。

こじまけいこ

こじまけいこ/1972年生まれ。エッセイスト、タレント。学習院大学を卒業後、1995年TBSに入社。2010年退社。テレビ・ラジオ出演、連載多数。著書に小説『ホライズン』(文芸春秋社)、『わたしの神様』(幻冬舎)など。エッセイに『るるらいらい』(講談社)など。
現在は、家族(夫と2人の息子)の拠点をオーストラリア・パースに移し、日本と往復する生活。