気づいた人からきれいになれる。

NEW2020.3.12

FILE_006

フラーレン Part1

捜査テーマ

最高峰の美容成分と呼ばれるフラーレン。その正体とは?

新たな美容成分が続々と出ている中で、最近「フラーレン」を見聞きする機会も多くなった。 だがビタミンCやコラーゲンのように馴染みがなく、どんな効果があるのか今一つわからない。そこで、どのような成分でどう肌に効くのか捜査する。

life style

小西捜査員の美科学捜査:1

フラーレンの抗酸化力はいかにすぐれているのか?

  • 今日はいつもと趣向を変えて私から捜査テーマの提案をしたいのですが。

  • えっ、林田さんから?珍しいですね。どんなテーマですか?

  • 最近“フラーレン”化粧品の人気が急上昇ですが、ビタミンCやコラーゲンのように皆さんに知られていないので。フラーレンについて、捜査してはどうかと。

  • 確かに。1996年に発見者がその功績でノーベル化学賞を受賞した注目の成分ですから、私も知っています。

  • そこで今回は、日本におけるフラーレン研究開発の先駆者的企業の代表である林さんに来てもらいました。フラーレンの事、根掘り葉掘り聞いてみて下さい。

  • フラーレンについては、初心に戻ったつもりで捜査します!林さん、宜しくお願いします。

  • こちらこそ。さっそくですが、フラーレンの最大の特長といえば、その抗酸化力の高さです。なんとあのビタミンCの250倍以上の抗酸化力があると言われています。

  • えっ、ビタミンCの250倍も!

  • そうなんですよ。体を酸化させる(錆びつかせる)活性酸素は、呼吸や紫外線、大気汚染、ストレス、喫煙や飲酒等、日常生活で発生しますよね。体の中の錆が広がると老化が進みます。これを止めるのが抗酸化作用であり、抗酸化にすぐれている代表的なビタミンCよりも遥かに超える250倍の抗酸化力があるフラーレンは、正にエイジングケアの最高峰なんですよ。

  • フラーレンのサッカーボール状の構造がこの抗酸化力の鍵となっているんですよね。

  • フラーレンは60個もの炭素原子(元素記号:C)がサッカーボール状に結合している分子です。この独特の構造が、肌老化の原因となる活性酸素をスポンジのように吸着させ、分解し無害化します。しかもその吸着力は11時間以上持続し、衰えることなく発生し続ける活性酸素を除去できるという仕組みなんです。

【活性酸素を無力化するフラーレン】活性酸素を分解・無害化した後も、フラーレンは抗酸化力を維持し続ける

  • フラーレンの抗酸化効果が高いことは有名ですが、ビタミンC等の他の抗酸化成分とは働き方も異なるんですよね。

  • 一般的な抗酸化成分は、自分が犠牲になって、活性酸素から肌などの組織を守る=抗酸化成分自身が活性酸素によって酸化されて、抗酸化の効力も消滅します。瞬発力はありますが、例えると短距離ランナー。一方、フラーレンは持続力が抜群なのでマラソンランナーのようなものですね。

  • なるほど、分かりやすい例えですね。

  • フラーレンは、上の図のように活性酸素を吸着して無害化する、掃除機のような働き方をするという例えもできます。自分自身が酸化されず効力は長持ち。そして、長時間抗酸化力を発揮するという実に頼もしい存在です。しかも、他の成分の酸化も抑制してくれるんです。

  • 例えばビタミンCはどうなんですか?

  • ビタミンCのように、単独ではとても酸化しやすい成分は、肌に吸収されるというタイミングで、周囲にある活性酸素によってすぐに酸化してしまいますよね。そこでフラーレンが大活躍してくれるんです。まずフラーレンが活性酸素と戦ってその働きを防ぎ、ビタミンCを酸化から守ります。そのおかげで酸化しなかったきれいな状態のビタミンCは肌の奥へと浸透できるというわけです。

  • 素晴らしい!フラーレンって、本当に最強の万能成分ですね。

judge

鑑定結果

“活性酸素”を無害化・除去し、長時間抗酸化力を発揮する

美捜研捜査員・小西さやか

国立大学工学部化学修士。化粧品研究&開発の経験を活かしコスメを科学的に評価する専門家コスメコンシェルジュ。 また各方面の理事、顧問など要職もこなす。著書に「美容成分キャラ図鑑」(西東社)など、これまでに13冊、累計36万部を突破。

美科学のプロ・林田元治
(ドクターシーラボ研究開発部部長)

大学時代は有機化学専攻。研究開発・品質管理など35年のキャリアを持つ。皮膚の仕組みや効果的な成分を語らせたら右に出る者はなし

取材・文/玉井由希子 イラスト/STOMACHACHE.

シーラボ美研2018年12月号(11月21日発行)掲載記事